昨日の続き
8月24日小麦の乾燥が終了した後、1回目のトーミ選別を実施。
この選別作業は、風の力を利用して、小麦粒に混ざっている籾殻などを吹き飛ばすもの。同時に2.2mmの縦篩い目を通し、小麦の粒揃いを行う。ウチでは2回実施することにしている。
今日は、取りあえずその1回目。とにかく乾燥機を空けるのが目的。何故なら、次に控えるライ麦の収穫のため。乾燥機はひとつしか無いので。
夜8時頃に、何とか作業終了。
小麦の選別作業は、トーミ選別の他に比重選別も実施している。
比重選別の作業は、何度も繰り返し行うので、農作業がひと通り終わった頃にしている。
例年ジャガイモの収穫発送が終わってから、雪が積もる前ぐらいになるだろうか。
今年の小麦のパンは、比重選別作業が終わってからになるので、まだもう少し先になる。
こんな感じで 乾燥機からダクトを通って出された小麦が トーミ選別機に導入される
混入していた茎などの大きなゴミは 大きい方の網目にはじかれて ここに出てくる
大きいけど軽いゴミは トーミ選別機が起こす風に押し出され 下流部のこの部分に出てくる
小さな籾殻や雑草の種などは 風に押し出され 壁外に排出される
ダンボール箱で作った 手作り感の排出ダクトはご愛敬
小さめの網目を通過した粒はトーミ選別機の下の箱に溜まる
この粒は家畜のエサに回すことにしている
飼っている鶏のエサの量だけでは減らず
これまでのものも含めて大分と溜まっているので 来年は 豚を飼う予定
この粒は 今回の選別合格品
さらにもう1回同じ選別にかける
全景はこんな感じ
右に見える袋に選別合格品が入っている この袋が4袋出来た
ハネ品との割合は10:1ぐらい 1回目の選別作業 歩留まり良好
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~選別に思うこと 考えていること~
小麦を何度も選別にかけ、”もったいない”と感じておられる方もいると思います。
どの農産物も一般の消費者が知らないところで、農家たちは厳しい選別作業を行っています。
最近は、この選別作業そのものを無くしていこう、B品と言われる品物も流通させようという試みも生まれています。それは非常に良い試みだと思っています。
しかし、それは一般的に”野菜”と言われるものです。
形や大きさの選別が一般的です。形や大きさが違えども味は遜色ありません。
対して小麦のような”穀物”と言われるものは、少し様相が違います。
B品と言われるものは、その味や性質も本来のものと変わってしまいます。
ここでの選別に求められるものは、その”目的”に適したものを選び出すということです。
流通上要求される形や大きさの選別ではありません。
目的とは、何でしょう。
最終製品として選別される小麦は、パンを焼くための小麦ということになります。
出来上がりを想像してみてください。
野菜や果物などのB品を加工したジュースなどの品物と、B品だけで焼いたパン。
後者は、明らかに目的外であると言えるでしょう。
一般に流通する製品は、圧倒的多量の中から選別されたものです。
圧倒的多量のものから選別されても、製品として多量のものが残ります。
対して小ロットは、量が少ないから、出来上がる製品が少なくなるから選別の目を緩めて良いものでしょうか。それは違うと思います。
美味しいパンが焼きたくて、始めた小麦作り。
これからも考えることが多いと思います。
選別で製品とならなかった品も、ムダにはしません。
籾殻や茎などのゴミは、ひと山に積み堆肥加工しています。
小粒やハネ品は、家畜のエサに回します。この家畜の糞は、堆肥になります。
そしてこの出来上がった堆肥は、また土に戻されます。
このようにして、自然の循環を切らさないように手助けしています。
農業は、人間の行うことです。
ひとたび人間が手を加えた環境は、決して自然な状態とは言えないものです。
しかし出来ることがあります。
そこでの人間の活動そのものを、その循環の中に入れこむことだと考えています。
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